企画名

暗号理論の数理と社会実装
 

参加教員

参加教員名 所属 職名
伊丹將人 サイエンス連携探索センター 特定助教
伊藤哲史 数学・数理解析専攻 准教授
 

企画の概要

 暗号技術はデジタル社会の安全性を根底で支えており、必要不可欠なものになっています。しかし、量子計算機が実現すると、現在利用されている暗号方式の安全性が失われることが分かってきました。そのため、量子計算機でも解読が困難な暗号である耐量子計算機暗号の研究が現在盛んに行われています。暗号理論は様々な分野との関わりがあるため、本 SG では多様なバックグラウンドを持つ学部生・大学院生の皆さんと一緒に、暗号理論の初歩から応用まで様々な側面を学んでいきます。予備知識は仮定しません。
 具体的には、高木剛(著)『現代暗号理論』(岩波書店)の輪講を行い、暗号理論の基礎の習得を目指します。その後は参加者の興味に応じて、暗号理論に関する論文を読んだり、プログラミングを行って実際に動かしてみて、生じた疑問をみんなで検討するような研究を行い、2026年1月26日〜30日に函館で開催される研究会「2026 年 暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2026)」で研究発表を行うことを目指しています。
 MACS は異分野交流の場でもあるので、暗号についての予備知識は仮定せずに、初歩的なところから輪講を行う予定です。暗号理論を通じて、理学の様々な分野の学生同士で交流する機会を作りたいと思っています。後期には専門家を招いたセミナーも開催する予定です。
 また、暗号理論が社会でどのように役立っているかを学ぶためにも、各回の輪講の発表者には暗号理論を用いてセキュリティを高めている技術や製品を紹介してもらいたいと思っています。情報セキュリティやプライバシーへの関心は世界的に高まっており、日々様々な技術・製品が誕生しています。暗号理論の社会実装という応用面にも関心を払うことで、今後の人生がより豊かなものになると信じています。

実施期間・頻度

前期(6月~7月)と後期(10月~1月)に隔週で各回90分のセミナーを実施する予定です。曜日・時間帯については、参加希望者で相談して決めたいと思います。また、後期に2回ほど専門家を招い たセミナーを行う予定。

TA雇用の有無

有り

その他、特記事項など

輪講はハイブリッド形式で実施予定です。連絡や相談は、オープンソースでありエンドツーエンド暗号化を実装しているElement (Messenger)を利用したいと考えています。

問い合わせ先

itami.masato.7u*kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)